耳垢とクシャミ【1分で読めるエッセイ】
子供が生まれてから驚いた事がある。
耳垢に種類がある事を知ったのだ。
ちなみに私、母ちゃんはカサカサの耳垢。スプーンの形状のような「耳かき」を使い耳掃除をする。実家の両親も妹も、家族全員がこのカサカサタイプの耳垢だったので、耳垢に種類がある事など今まで知らずに生きてきた。
ところが…息子(饅頭太郎)が生まれ、主人(ヒョロ長父ちゃん)が太郎の耳掃除をしている光景に衝撃を受ける事になる。なんと!!耳掃除をした後の綿棒が黄色いのだ!!
どうした!!太郎の耳Σ(・□・;)となった。
ところが、父ちゃんは「へ?普通の事でしょ?」と平然と言ってのけるのだ。どうやら、父ちゃんと太郎の耳垢は粘り気のある湿型タイプらしい。このタイプの人は耳掃除に綿棒を使うようだ。
「もしかして…、頭を傾けると耳垢が耳の中でガサゴソと音を立てる感じ味わった事ない?」父ちゃんに疑問をぶつけると、これまた平然と「そんな経験は一度もない」と言うので衝撃。
ちなみに、もともとの先住民だった縄文人は湿型(黄色い粘り気のある)耳垢で、弥生時代以降、日本に移り住んできた渡来人によって乾型(乾いたタイプの)耳垢の遺伝子が運び込まれてきたらしい。
我が家では父ちゃんと太郎が縄文人ルーツの耳垢で、私と花子が弥生人ルーツの耳垢という訳か。そう考えると、遺伝ってなんだか面白い(笑)
という訳で2種類の耳垢タイプが混在する我が家では綿棒も耳かきも常備してある。
もう一つ遺伝について面白いのが“光くしゃみ反射”だ。
私は、幼い頃から太陽を見たり、暗い所から急に眩しい所へ出ると必ず、くしゃみがでる。だいたい3回程連続で。
じぃ(私の父親)が同じ体質で「太陽見るとクシャミ出るよね?」「うん、出るよ」という会話をした事があったので、皆が皆そういうものだと思っていた。
ところが、これ、遺伝らしい。日本全体でも、この光くしゃみ反射が現れる人は25%らしいのだ。意外に少数派…。
ちなみに、太郎は私の体質を受け継ぎ太陽を見るとクシャミをする。ヒョロ長父ちゃんと娘(花子)は出ないようだ。
そういえば…、子供達とトトロを見ていたら、メイちゃんが大きなクスノキを見上げるシーンでクシャミをしていた。これはもしや?と思い調べると、どうやら宮崎駿さんも光くしゃみ反射の出る体質らしい。なんだか嬉しい(笑)
結婚して親元を離れてから、眩しくてくしゃみをすると「じぃは元気にしてるだろうか?」と、ふと思う事がある。
そして、隣で私と同じタイミングでクシャミをする太郎を見ると「将来、親元を離れてからも、クシャミのタイミングで母ちゃんの事、思い出してくれるだろうか?」と考えたりする。
すると、途端にこの脈々と受け継がれる光くしゃみ反射が何故か、とても愛おしい物に感じるのであった。
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空に虹がかかりますように【1分で読めるエッセイ】
窓を開けてヒンヤリとした冬の風を入れる。
途端に、止まっていた空気が、かき回され、部屋が息をしだす。
陽の当たる窓側の机に一輪、花を挿す。
その生命の尊さに思わず背筋が伸びる。
音楽をかけながら、洗濯物を干してみる。
いつもなら面倒な作業が何故かウキウキしてくる。
丁寧に急須でお茶を淹れる。
深い香りにつれられて、瞼の裏に青々とした茶畑浮かぶ。
寒くない?と家族の小さな手を握ってみる。
冷たい手とは対照的に真っ赤なほっぺに笑顔がともる。
なかなか会う事が出来ない祖母に手紙を書く。
文字に会いたいを込めて。
どれもちょっとしたこと。
でも、気持ちは変わる。そして周りも変える。
ぬくもりも、笑顔も、幸せも繋がっていくといい。
毎年より丁寧に手を洗う。
少し人と離れてみる。
朝起きたら、健康である事に感謝して、
寝る前は医療従事者やエッセンシャルワーカーの方の毎日に思いを馳せる。
一人一人が明るい未来を信じて、
ちょっとだけ行動してみる。
その積み重ねで何かが変わるかもしれない。
出来る事を出来る範囲で
私には何ができるだろう。
あなたには何ができますか?
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