母ちゃん家の本棚ブログ

エッセイ、小説、パニック障害の前向き克服記録などを掲載してます☆30代2児の母です。よろしくお願いします(*^^*)

ラジオとカセットとドロップと

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ラジオが好きだ。なーんて、前から好きだったように語ったら怒られる。

 


聞き出したのは本当に最近。パニック障害になってからだ。

 


一時期、目からの刺激が一切ダメだった。本もスマホもテレビも…。息子の小学校の手紙さえ読めなかった。

 


GWの緊急事態宣言下で、毎日流れてくるコロナのニュースが怖くて少し映像から離れたかったという心の問題もあった。

 


あの時期…景色さえもフワフワして、出来ることならずっと目を閉じていたかった。


そこで出会ったのがラジオだ。

 


思えばラジオなんて全く触れずにきた。車の移動中は専らCDを聞き、家ではTV。

私の人生にラジオと交差する時間はなかったように思う。

 

 

ところが、聞き出すと夢中になった。なんだろう。テレビでは感じる事のない、あの声の温もり…。すぐ傍で話し手と繋がっているような感覚。

 


なんだか、とっても新鮮だった。

 


日本中にいる誰かが、曲をリクエストして、それがパーソナリティーに届いて配信される。そんな、点と点が結ばれた感じが素敵だと思った。

 

 

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ふと、小学生の時に友達と交換したカセットテープの事を思い出した。互いの好きなCDをカセットテープに録音して、中身を教える事なく交換した、あの頃。

 

 

何の曲が流れるか分からないワクワク感。そして、その曲を選んだ相手と繋がっている感じ。

 


似てると思った。

 

 


未知の曲が流れて自分の琴線に触れる。
自分ではない誰かの“好き”が心を揺さぶる。

 

 


ラジオから流れる誰かの“好き”が、自分の“好き”に触れて心の線を揺らす瞬間。

 

 

なんとなく昔懐かしいカセットの記憶が蘇って、ノスタルジックな気持ちになった。


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そしてもう一つ思い出したのがドロップスだ。よくおばあちゃんが買ってくれたドロップ缶。

 


缶を揺らすと出るカラカラという高い音と、心躍らせるカラフルな色、そして様々なフルーツの味。

 


それらを上回る魅力が、缶からドロップが姿を見せるまで、何味が出るか分からないドキドキ感だ。

 


ドロップが出た瞬間に『ヤッタ!!まさにこれが食べたかった』という喜びを味わう事がある。

 

 

ラジオとカセットとドロップと…。全く違うようで、なんだか似てる。

 

 

自分で選ぶことのない未来が、自分の“好き”を揺らしてくれるのだ。

 

 

そしてそれらには、パーソナリティー・リスナー・友達・おばあちゃん…と、背景に人との温かな繋がりがある。

 

 

数年後、何かのきっかけで、きっと私はラジオを聞いた今日の事を思い出す。その時、誰との温かな記憶を連想するのだろう。

 

 

そんな事を感じた2020年の年末。きっと誰にとっても今年は忘れる事の出来ない年。

どうかどうか、来年は有難い日常が戻ってきますように。

 

 


そして人との繋がりの温かさを、ぬくもりを直に感じられる世の中になりますように。

 

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